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大学4年の卒業研究時に同期が理化学研究所にある加速器を使用した原子核実験を行っており、その研究発表を聞いて加速器や放射線に興味を持ちました。修士課程からその研究グループに参加させていただき、加速器という非日常的な大きな装置を運転して実験するのが楽しかったのを覚えています。単純に大きな実験装置が好きという理由もありますが、私が加速器や放射線の研究を始めたきっかけはやってみたら楽しかったからです。
博士課程で私は医学物理工学の分野に進学し、放射線治療用の加速器や放射線検出器に関する研究をしていました。研究は楽しかったので特に深い考えもないまま漠然と研究職に進みたいなと考えていましたが、実際に明確に決めたのは博士号を取得する予定の年度になってから
現在私はSCRIT(Self-Confining Radioactive isotope Ion Target)と呼ばれる核構造研究を目的としたRIイオン標的生成法の研究と、ビームリサイクルと呼ばれる希少RIの精密測定を目的とした実験装置開発を行っています。一般的に加速器を用いた研究ではビームや放射光をユーザーに提供
日々の研究活動(実験、解析や論文執筆など)において、それらのタスクはやる気があるうちにやり切ってしまおうという心構えを大事にしています。これはとても大事にしているつもりですがまだまだ遵守できておらず、やる気がでなくて後でやろうと思ってまだ手が付けられていない未発表のデータなどが割とあります。今後の研究人生でいつかこの心構えを一貫することができたら良いなと思っています。
日本語で良いと言われていた研究会のプレゼンテーションで前日に英語発表にしてほしいと要請があり、ほぼ徹夜で英語のプレゼンテーションの準備をしたのですが翌日の研究会で英語圏の方が欠席したためやっぱり日本語でも良いですと言われたときは辛かったです。
現在私の研究で使用している蓄積リングは加速器としてのミッションが終了し使用されなくなった蓄積リングを再利用しています。そのため研究目的に対して性能が十分ではない場面もでてきているため、定年までに私の研究目的に特化した蓄積リングを1から建設することが目標です。そのためにも現在の実験装置で研究開発を進め、大きな予算獲得を実現するだけの研究成果を挙げていきたいと考えています。
やりたくないことを一生懸命頑張ることは大事ですがとても大変なので、なるべく自分が楽しいと思うことをやれば良いと思います。ただある程度やってみないと自分が楽しいと感じるかどうかも分からないと思うので、先ずは色々なことをやってみることをおすすめします。アイソトープや放射線の研究は科学的に重要な基礎研究から社会貢献に直結する応用研究まで幅広く存在するので、何かしら琴線に触れる研究テーマが1つ2つくらいはあるかと思います。