No.5 新規の放射線業務従事者で、健康診断の受診後、医師の判定が出る前に放射線の取扱いを始めても構わないでしょうか。また、教育及び訓練として管理区域内で実習することは可能でしょうか。

掲載日:2020年1月15日

 健康診断は取扱い前の健康状態を把握し、取扱い開始後も変化がないことを定期的に確認することが目的です。
 そのため、最初の状態を確認する前に取扱いを始めてしまうと、万が一、異常値が認められた場合に比較する対象がなくなってしまいます。従って、法令には明示されていませんが、医師の判定が出てから取扱いを始める方がよいでしょう。
 教育及び訓練について、法令によれば管理区域立入前の教育及び訓練は初めて管理区域に立ち入る前に終了していなければなりません。
 しかし、それだけでは“業務を行う上で安全管理上不十分である”と考えられる場合は、取扱等業務を行わないことを条件に、一時立入り者として管理区域内に立ち入らせて教育及び訓練を実施することも可能です。
 一方、“業務を行う上で安全管理上、取扱等業務を含む教育及び訓練が必要である”と考えられる場合は、法令が求める最低時間以上の教育及び訓練を管理区域立入り前に行い放射線業務従事者として登録後、管理区域内での取扱等業務を含む教育及び訓練を、実際の業務開始前にさらに義務付けるとよいでしょう。
 このように事業所の考えに基づいて教育及び訓練の方法を工夫することも可能です。
 ただし、これらの場合は法令の主旨に沿って管理していることを第三者に提示できるように、その手順や条件及び記録等について予防規程またはその下部規程に規定しておく必要があるでしょう。
 使用実態に合わせた教育及び訓練を法令の定める範囲内で各事業所は検討し、その方策を規程に定め、しっかりと説明できるようにしておくことが重要です。