液体中放射能の測定

1.有機溶媒

2.水溶液(緩衝液)

3.血液

4.血漿・血清

5.尿・胆汁

1.有機溶媒

  • サンプルに直接シンチレータカクテルを添加する。
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    ☆カクテル剤の例

     ウルチマゴールドF,オプティフローO,インスタフロープラス等

     

    2.水溶液(緩衝液)

  • サンプルに直接シンチレータカクテルを添加する。
  • カクテル剤の種類によっては,塩濃度が高いときの白濁や,含有できる水分量の低いものは二層に分離するなどが発生するため,適切なカクテル剤を選択すること。
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    ☆参考

     アルカリ,高塩濃度⇒ハイオニックフロー
     高含水率⇒ウルチマゴールドLLT,XRなど
     酸⇒ウルチマゴールドAB

     

    3.血液

  • バイアルに血液を入れ(最大0.4mL,0.05〜0.1mL程度が無難),組織溶解剤(ソルエン-350:イソプロピルアルコール=1:1混合液)1mLを添加する。
  • 50℃でときおり混ぜながら,15〜30分加温する。
  • 30%の過酸化水素水を少しずつ添加し,カラークエンチングが起こらないように脱色する。少しずつ添加しないと泡を吹き上げてバイアルからこぼれ,大事なサンプルを失う上,周囲を汚染させるので注意すること。
  • 添加する過酸化水素水は0.5mLまで。完全な無色にはなりません。
  • 50℃で15分間加温し,余計な過酸化水素水を除去する。
  • シンチレータを添加する。溶解剤がアルカリなのでケミルミネッセンスが発生しやすいことから,適切なシンチレータ(ハイオニックフローなど)を選択する。
  • 使用シンチレータによるが,ケミルミネッセンスをなるべく抑えるために,しばらく放置してから測定する。できれば15℃程度の低温で一晩放置すると良い。
  • 3Hまたは14Cの場合はカラークエンチの無い燃焼法が効果的。
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    4.血漿・血清

  • 最大1mLまでの血漿・血清をバイアルに入れ,水または組織溶解剤1mLを添加する。
  • シンチレータを10mL程度添加する。
  • 透明になるまで激しく撹拌する。
  • 白濁あるいはゲル化する場合は,シンチレータの量を増やすか,シンチレータの種類を変える。白濁の場合は水を増量しても良い。
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    5.尿・胆汁

  • 試料に直接シンチレータカクテルを添加する。
  • カクテル剤によっては尿8mLに対して12mLを添加することで,測定サンプルを調製できるものもある(ウルチマゴールドLLT)。
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