本書は、自然に生じる多因子性疾患についてのデータをまとめ、集団におけるその出現頻度が放射線誘発突然変異によって受ける影響の数学的モデルを開発したものである。多因子性疾患の例として先天異常と慢性疾患を取り上げ、メンデル性疾患と多因子性疾患の概念的な違いを論じ、多因子性疾患の遺伝様式を説明する考え方とモデル、特に病気へのかかりやすさの多因子しきい値モデル(MTモデル)を考察する。
 また、多因子性疾患の疫学的データを検討し、量的形質の進化遺伝学の領域で用いられる機械論的集団遺伝学モデルを考察し、突然変異率の変化に対する多因子性疾患の応答性を推定する「突然変異成分」の開発を行っている。そして、MTモデルの基になる病気へのかかりやすさとしきい値の考えと、集団遺伝学モデルからの突然変異-選択の釣合いの考えを「有限座位しきい値モデル」に統合し、遺伝力の大きさに関係なく多因子性疾患の突然変異成分は2%以下と推定している。
 
翻訳・発行 (社)日本アイソトープ協会 (2004年9月発行)
判型 B5判
頁数 131頁
価格 定価 9,135円 (8,700円)   会員割引価格 8,190円 (7,800円)